知的欲求
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今年も下鴨神社の納涼古本市へ出かけた。本、雑誌、パンフレットから謎の紙束の類いまで、膨大な知識、学問、情報の集合体、あるいは堆積物が眼前に展開し、圧倒される。世の中には、過去から現在から未来まで、知っていること、知らないこと、興味のあるもの、興味のないもの、価値のあるもの、価値のないもの、が山をなしている。
本当に残念なことに、全知全能の神と異なる人間は、情熱の不足と人生の短さのために、すべてを知ることを許されない。それでも、すべての中の、興味のあるごく一部だけでもよいから詳しく、深く知りたいと願う。しかしその「一部」ですら、深淵かつ膨大な世界を構成しており、真理や核心にたどり着くのは至難の業だ。
願うべくは、真理や核心に可能な限り迫り、自らの手で世の中に、なにがしか意味のある一片を加えたい。そのためには、熱意と努力を、惜しんではならない。