フランス海軍潜水艦「ペガーズ(Pégase)」
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第二次世界大戦期のフランス海軍潜水艦「ペガーズ(Pégase)」は、日米の開戦によって、フランス領インドシナ(仏印)からフランス本国に戻れなくなり、サイゴン(現・ベトナムのホーチミン)に逼迫し、終焉を迎えた。ここでは、1945年から戦後にかけて撮影された「ペガーズ」の写真と、その最期を紹介する。
画像元
1945年4月撮影(アメリカ陸軍航空隊)
サイゴンの海軍工廠付近の空撮。画面左上、桟橋の横に「SS」と注記された潜水艦が写っている。この時期、日本海軍の潜水艦がサイゴンに在泊した記録はない。従って、この写真の艦は「ペガーズ」である可能性が高い。1945年3月、日本軍による仏印武力処理、「明号作戦」の際に、仏印に在ったフランス海軍の艦艇がことごとく自沈する中、「ペガーズ」は水上に残った、ということになる。
出処不明(どこかの掲示板から)
1948年撮影
1945年に戦争が終わった時、「ペガーズ」は工廠近くの渓谷に放置されていた。この写真と同じものが「LES SOUS-MARINS FRANCAIS 1918-1945」のp.214に載っている。
画像元
1950年6月9日撮影(by Urbain CALESTROUPAT)
同じく渓谷に放置状態の「ペガーズ」。1950年に「ペガーズ」はフランス海軍を除籍された。
出処不明(どこかの掲示板から)
1951年3月18日撮影
渓谷から引き出され、サイゴン港の桟橋に係留された「ペガーズ」の船体。機器が取り外されたため、軽くなって浮き上がり、傾いでいる。
元画像
撮影年月日不明(おそらく1951年4月)
「ペガーズ」は、艦橋に航路標識を載せられ、サイゴンから南へ、メコン川の分流であるバサック川の河口まで曳航された。同じ写真が「LES SOUS-MARINS DE 1500 TONNES」のp.49にある。
元画像
撮影年月日不明
バサック川の河口で、座礁の危険を示す標識となった「ペガーズ」の船体は、半年もすると完全に水中に没し、さらに大型の標識が追加された。
渓谷から引き出され、サイゴン港の桟橋に係留された「ペガーズ」の船体。機器が取り外されたため、軽くなって浮き上がり、傾いでいる。
元画像
撮影年月日不明(おそらく1951年4月)
「ペガーズ」は、艦橋に航路標識を載せられ、サイゴンから南へ、メコン川の分流であるバサック川の河口まで曳航された。同じ写真が「LES SOUS-MARINS DE 1500 TONNES」のp.49にある。
元画像
撮影年月日不明
バサック川の河口で、座礁の危険を示す標識となった「ペガーズ」の船体は、半年もすると完全に水中に没し、さらに大型の標識が追加された。
ペガーズ(Pégase)は、ペガサスのフランス語である。天馬の名を持つ潜水艦は、はるか極東で朽ち果て、最後には航路標識となって姿を消した。「ペガーズ」は、河口の泥の中で、今も静かに眠っている。
【※画像はすべてネット上から集めてきたもの。 収集時期はずいぶん昔で、いくつかは出処がわからなくなってしまった。】