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December 2015

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 論文再投稿の期限が迫っている。追加実験をなんとかこなし、結果と結論はほぼ出揃い、論文の修正も済んだ。

北条鉄道フラワ1985-1から紀州鉄道キテツ-2へ、それにキテツ-1

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 信楽からKR301が来たことで、2軸レールバスのキテツ-2は、紀州鉄道の主力の座から降りると予想される。同車は2009年まで、フラワ1985-1として北条鉄道を行き来していた。
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 フラワ1985は、国鉄北条線を引き継いで、1985年4月に開業した北条鉄道の主力車両として、富士重工の手により3両が製造された。

 北条鉄道のホームページによると、形式名の「フラワ」は、沿線にある「兵庫県立フラワーセンター」に由来するだそうだが、登場時の「鉄道ファン」1985年5月号の紹介記事(「4月1日オープン レールバスの走る三木鉄道・北条鉄道」)を確認すると、以下のように書かれていた。

 「形式は「花と緑の生活路線」という北条鉄道のキャッチフレーズに合わせてフラワ1985形となった」
 「花と緑にちなんでグリーンとオレンジのストライプが入った」

 1974年に開園したフラワーセンターにちなんで、キャッチフレーズが決められたことは想像に難くないが、今では見る影もない「花と緑の生活路線」のフレーズを、北条鉄道が本当に使っていたのかどうか、確認はできなかった。現在のホームページの記述と、当時の雑誌記事と、いったいどちらが正しいのだろう。

 それはさておき、2008年の正月2日、私が初めて北条鉄道を訪れたとき、フラワ1985-1に乗ることができた。この時点で、僚車2両(フラワ1985-2と-3)は新形式のフラワ2000に置き換えられ、すでに北条鉄道を去っていた。 
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 フラワ1985-1が、北条町駅にてフラワ2000-2と並ぶ。どちらも富士重工製ではあるが、全長18.5mのLE-DCと、全長12.5mのLE-CARIIの大きさの違いが目立つ。【以上4枚、2015年8月撮影】
 翌2009年の3月、フラワ1985-1は故障とともに北条鉄道を引退し、紀州鉄道に引き取られ、キテツ-2と名を変えた。
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 2015年8月、紀勢本線一周の途中、乗り換えの間に撮った、御坊駅にて発車を待つキテツ-2。10月開催の「第15回全国障害者スポーツ大会2015紀の国わかやま大会」のステッカーが各所に貼られている。ホームは工事中で、滑り止めのマットが敷かれている。
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 標記によれば、全般検査は2010年11月に日鐵運輸が行っている。同社は2012年4月に社名を変更しているので、次の全検時には別の名前が書き込まれるのだろう。【以上3枚、2015年8月撮影】2ヶ月後に再び現地に行くと、車体のステッカーはなくなっており、駅ホームの工事も終わっていた。
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 前面にステッカーの跡がはっきり残っているのはいいとしても、剥がした拍子にオレンジの細帯の色まで薄くなっているのはどういうことだろう。塗膜が弱いのだろうか。右の写真は西御坊駅で撮ったもので、御坊駅停車時のホーム側とは反対側面。国鉄の急行「紀州」風のサボが面白い。
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 車内の「富士重工 昭和60年」の銘板には「」のマークが入っている。正面にぶら下がるワンマン表示の裏には、「走行中の運転席周辺で立っての写真撮影・動画撮影は乗降・両替えなどのお客様の御迷惑となりますのでご遠慮ください」という、マニアに向けてのお願いが貼られている。【以上5枚、2015年10月撮影】
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 キテツ-2に先立つこと9年、同形式のフラワ1985-2は、キテツ-1として2000年に紀州鉄道入りしている。2007年12月に私が紀州鉄道を初めて訪れた時には、キテツ-1は御坊市内にあるパチンコ店の全面広告塗装となっていた。ライト廻りの色使いがカラフルでオモチャみたいだ。方向幕は白地に黒文字になっているが、これは後に黒地に白文字のものに改められている。全般検査は紀州鉄道でおなじみの日鐵運輸の手によるものだが、年の表示は和暦となっている。【以上2枚、2007年12月撮影】
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 上写真からおよそ8年後、正面に「休車中」と貼られ、カーテンを閉め切って紀伊御坊駅の側線にたたずむキテツ-1。キテツ-1は、フラワ1985時代に北条鉄道の社紋があったのと同じ場所(正面と側面扉横、計4ヶ所)に加えて、車体側面中央にも白黒反転した社紋を付けており、車体に紀州鉄道のエンブレムが6つもある。対してキテツ-2では、紀州鉄道の社紋は両先頭部の2箇所のみだ。【以上2枚、2015年10月撮影】

 近いうちにKR301が稼働すれば、キテツ-2が予備に廻り、キテツ-1は用済みとなって廃車になるというのが、もっぱらの噂だ。キテツ-1はこのまま現地で解体されるのだろうか。北条鉄道でも紀州鉄道でも、弟分のLE-DCが後を継ぐことになる。

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