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 土曜日の夕方、近鉄西大寺検車区の片隅にモト77・78がいるのを見つけた。
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 フェンス越しに写真を撮る。台車はKD60、近畿車輌昭和41年の銘板が付いている。
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 モト77・78の連結面には青帯が入っており、東大阪線の近鉄7000系に合わせた連結器を装備する。この大阪市交通局タイプの連結器の高さは、両端の近鉄標準の連結器よりも低い。
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 車体の銘板には、近鉄の社紋、形式モト75、荷重18.0t、自重36.0t、の表記がある。モト77のものは白の書き文字となっているが、モト78では、車体のマルーン色で塗り潰されているものの、金属の鋳出しの文字だ。

 モト77・78は、元はレール輸送用の無蓋電動貨車だった。2両固定編成で、側面にあおり戸を持ち、連結面に運転台はなかった。2両とも制御電動車だったが、パンタグラフはモト77だけが装備していて、その搭載スペースに合わせ、運転台に続いて作業員の添乗室があった。対してモト78の運転台は、それだけの薄いカマボコ型だった。

 1998年11月、それまで7000系の回送を担当していたモワ11・12が引退し、12月には解体された。モト77・78はその引き継ぎ役に選ばれ、五位堂にて大幅な改造を受けた。台枠を強化し、連結面側に各々運転台を新設し、連結器も7000系と同じものに取り換えられた。元からあった運転台も、大きさが変わり、屋根のRも小さくなっていることから、載せ換えられたものと思われる。車体のみならず、台車も主電動機も床下機器もすべて改めた結果、2両の外見はそっくりになり、違いは連結器や車外スピーカーの向き程度になった。1999年3月に改造を終えたモト77・78は、以降、五位堂への7000系の入出場に欠かせない車両として活躍を続けている。

 【参考文献】
『鉄道ファン』1999年4月号 128ページ「近鉄モワ11・12, 引退・解体される」
『鉄道ファン』1999年6月号 136ページ「近鉄モト77・78が改造出場」
『鉄道ピクトリアル』2003年1月号増刊 284ページ「近畿日本鉄道車両プロフィール2002」