熊本電鉄車庫訪問・2009年2月
2013年6月の熊本電鉄車庫訪問以前、私は2009年2月にも、熊本電鉄の北熊本の車庫を訪れている。
この時は同年3月に廃止となる寝台特急「はやぶさ」に乗って東京から熊本へ向かい、熊本市電を乗りつぶしたあと、上熊本から熊本電鉄に初乗車している。
北熊本の車庫では、パンタグラフを上げたモハ71が外に出ており、駅員に車庫に入る許可を貰うや、すぐに駆けつけ撮影に励んだ。
扉が開いているのはご愛嬌。
このモハ71は、「私鉄買収国電」(ネコ・パブリッシング)の吉川文夫氏の解説によれば、1928(昭和3)年日本車輌製、廣島電気デハ4→廣浜鉄道デハ8→国鉄モハ90005→熊本電鉄モハ71という変遷を経て、車籍はなく構内専用ではあるものの、現存する唯一の買収国電となっている。
私の撮影した写真と、「私鉄買収国電」に載っている50年前のモハ90005時代の写真とを見比べると、側面の窓が二段になり、パンタグラフ位置と床下機器配置との関係が逆になっているように思えるが、熊本電鉄への入線時に変更したのか?
開いている扉から車内を撮る。ボロボロだ。積み重なっているモケットシートは、色合いからみて5000形のものだろう。
ネットで検索すると、熊本電鉄開業100周年に合わせ、車内外とも美しい姿のモハ71が公開されたのは2009年5月であることから、この2009年2月時点は整備開始前ということになる。
同型車が広島の原爆により被爆喪失しているとはいえ、幡生工機部に入場中で難を逃れたこの車両を、「被爆電車」と呼ぶのには感心しない。
モハ71の後ろでは5000形5101Aを整備していた。白ガエルだ。
駅のホームから車庫に向かう道。注意書きはあっても、立入禁止の大書きはなかった。